インドネシア会計基準PSAK24の解釈変更による退職給付引当金の計算方法の変化について

従業員給付に関する会計基準はPSAK24(インドネシア会計基準24号)にて定められており、2022年4月時点でDewan Standar Akuntansi Keuangan(インドネシア会計基準審議会)がIFRIC(国際財務報告基準解釈指針委員会解釈指針)の提示する退職給付引当金の計算方法に基づき計上を行うべきと意見を示したことから、PSAK24の解釈変更が変わることになりました。

従来のPSAK24

従来のPSAK24では入社時点から従業員給付引当金の認識をはじめ、以降24年間に渡り退職給付引当金を積み増し計算しておりました(25年目以降は満額積み立て済みのため、積み増しはなし)。

解釈変更後のPSAK24

定年から逆算して24年前のタイミングから24年間に渡って積み増し計算をすることになります。

仮にA社の定年退職を58歳とした場合、24年前の34歳のタイミングから24年間に渡り退職給付引当金を計上する形です。

定年退職の24年前から積み立てを開始する理由としては、インドネシアにおける法律上の退職給付(退職手当金・勤続手当金・権利補償金)が24年間と上限とされており、それ以降は積みあがらないためとなります。

従って、22歳の従業員が入社した場合、従来のPSAK24では入社時点から退職給付引当金の計上対象となっておりましたが、解釈変更後では22歳の従業員が34歳になるまでは退職給付引当金の計上対象にならないこととなります。

解釈変更後のPSAK24に基づいて計算を行うと、34歳未満の従業員が多い会社の場合は、従来の計算方法で計上した退職給付引当金額より、解釈変更後の計算方法で計上した退職給付引当金額の方が小さくなります。その場合、解釈変更後の計算方法で発生した差額は包括利益に計上されることなります。

なお、オムニバス法施行以降、監査要件として退職給付引当金は金融庁(OJK)が承認した独立年金数理人(アクチュアリー)を利用して毎年計算を行う必要性を求められております。

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