PPh23(国内サービスに対する源泉税)
PPh23とは、インドネシア国内サービスに対する源泉税になります。サービス発生の都度、サービス受領側が源泉徴収をしてサービス提供側の代わりに税務署に対して翌月10日までに納税する方式の前払法人税です。サービス提供側は源泉納付されたことの証憑として、支払い側より「Bukti Potong」を受け取ります。
PPh23の税率には2種類あり、以下の通りです。
PPh23 税率 15%に該当するサービス
- 配当
- 利息・プレミアム(M&Aにおいて株価に上乗せして支払う手数料)・割引(債権取得時に、額面より少ない金額で取得でき、満期償還時に差額が利益になる)・ローン保証(ローン契約の保証として支払う手数料)
- ロイヤルティ
- 懸賞金・賞金 など
PPh23 税率 2%に該当するサービス
- 土地・建物以外の資産のレンタル料
- コンサルティングサービスなどのサービス全般に関する報酬
<注意点>
年次法人税の申告時にBukit Potongを証憑とすることで税額控除を適用することができます。また、インドネシアでは「毎月」源泉徴収の義務がサービス受領側に生じるため、サービス提供側・受領側双方が納税・申告に注意する必要があります。
またPPh23だけでなく、源泉徴収に伴い法人税の前払額が多額になることで前払法人税の還付に至る場合もあり、還付請求に際しては税務署による税務調査が行われることとなります。
PPh26(海外サービスに対する源泉税)
PPh26とは、海外サービスに対する源泉税であり、インドネシア非居住者から受けるサービス提供に対して支払いを行った場合に発生します。
基本的な税率は20%ですが、二国間租税条約が締結されている国との取引では軽減税率の適用が可能です。軽減税率を適用するには、サービス提供側の外国当事者は費用を支払うインドネシア当事者を通じてインドネシア国税総局(DGT)に対して居住証明書(Certificate of Domicile=COD)を提出する必要があります。提出はDGTのウェブサイトにてオンラインで申請を行うこととなります。
なお、居住証明書はDGTフォームという指定の書式があり、こちらを記入してサービス提供側は本国の管轄税務署にて税務当局の承認を受ける必要があります(承認の方法は国によって対応が異なります)。
軽減税率適用後の主な税率
- 海外から提供されたサービスに対する報酬 免税(0%)
※ただしVAT-Offshore(みなし海外VAT 11%)が発生します。 - 海外からの借り入れに伴う利息 10%
- 海外からの投資に対する配当 15%
- 海外へのロイヤリティ支払 10%
- 海外から提供されたサービスに対する報酬 免税(0%)
総額に対して課税される項目
- 配当・利息・プレミアム、ディスカウント、ローン保証料
- ロイヤリティ、レンタル料及び資産使用に対する支払
- 各種サービスに対する報酬
- 懸賞金及び賞金
- 年金、債務免除益、支店/恒久的施設(建設駐在員事務所等)の法人所得税引後利益
総額の一定割合に対して課税される項目
- 海外保険会社に支払う保険料
- 非居住者による非上場会社株式の売却
- 非居住者による売却価格が1,000万ルピア以上の高級装飾品