インドネシアにおける外貨建て債務の中銀報告(KPPK)規定

2014年のインドネシア中央銀行(Bank Indonesia:通称BI)通達(No.16/22/PBI/2014)により、2015年から外貨建て取引から生じる外貨建て債務の中央銀行報告が義務化されました。

これにより、外貨建て債務(USDやJPYによる海外仕入れや親子間ローンなど)がある企業は、月次・四半期・年次ごとに規定の方法で中央銀行への報告が必要となります。

外貨建て債務が発生した場合、まずはインドネシア中央銀行本店や支店で報告のための登録手続きを行います。

この際、報告方法について講習を受ける必要があります。登録が完了した後は、外貨建て債務が継続する限り、以下の報告を続けていくこととなります。

ULN(月次)

毎月の外為取引について、翌月15日までにオンライン報告を行います。
難しい手続きではありませんが、毎月の報告が必要なので忘れないよう注意が必要です。

KPPK報告(四半期)

会計年度の各四半期から3か月以内にオンライン報告が必要です。
第1四半期から第4四半期まで行い、次の年次報告で必要とされている監査は、四半期報告では不要です。

KPPK報告(年次)

会計年度の締め後、翌年6月末まで(最短6か月以内)に、監査法人による監査済み中央銀行報告書(KPPK Atestasi Report)を添えてオンライン報告が必要です。

スケジュールについては当初の法令原文が曖昧な表現であったため混乱が生じておりましたが、現在では以下のような運用となっています。

2022年1-12月期の場合、2023年6月末まで
2022年2月-2023年1月期の場合、2024年6月末まで
2022年4月-2023年3月期の場合、2024年6月末まで
2022年12月-2023年11月期の場合、2024年6月末まで

KPPK報告(四半期・年次ともに)は、報告遅延あるいは未提出の場合は罰金を科せられることになります。

遅延と見做された場合は最大IDR 5,000,000未提出と見做された場合は最大IDR 10,000,000の罰金です。

ただし、遅延か未提出かをどのように区別されるか日数の定義が曖昧であるため、最終的には中央銀行担当者からの通達によります。

そのほか、悪質性があると見做された場合は中央銀行から各省庁(財務省、国税総局、金融監督庁、証券取引所)へ警告状が回付されることがあります。

なお、取引通貨をIDRに変更するなどして外貨建て債務がなくなった場合は、当該報告義務も不要となります。

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